つわりってどんな感じ?~①概要編~

Stop and Smell the Honeysuckle

Why morning sickness…? And how did it feel?

さて、本日はつわりについて書こう。

つわりの奥深さといったら、妊娠する前から復活させていた私のTwitterアカウント上でのツイート内容が一時期8割くらいつわり関連になっていたほどである。記録のためにもツイートしていたのだが、妊娠初期からつわりピーク時は特に詳しい症状や感覚、激動する心境などを書きまくっていた。つわりによる心身の変化は、それはそれはドラマティックで、つわりネタだけで本が1冊書けそうだ。

 

つわりの何が大騒ぎするほどかといっても、まあ色々あるのだ。

思いつく順に書いてみよう。

 

まず、つわりに対するよくあるショッキングな発言、偏見、思い込み、理解不足について。ただでさえ身体は絶不調、精神的にもどん底状態の妊婦たちを、さらなる地獄へ陥れる、魔の言葉というものが、世にはまあたくさんあるものだ。例えば…

  • 「つわりって、病気じゃないんだから、仕事来れるでしょ?○○さんは臨月まで出勤してたし…」
  • 「つわりって、何がそんなに辛いの?妊婦だからって甘やかされたり、さぼったりしたいから言い訳してるんじゃないの?」
  • 「俺、男だからつわりって言われてもわからんねえ。好きで妊娠したんでしょうに!」という男性、または、つわりの辛さを経験したことのない女性による理解・共感不足等々…。

 

上に挙げたショッキングな言葉の主な原因は?

それはずばり、知識不足によるものが大半だと思う。

  • つわりは個人差がとても激しい(フルタイムの仕事も臨月まで何とかできたよ!という人や、妊娠4週から20週まで通勤もできないほど苦しみ、退職を余儀なくされる人等、様々。)
  • あるいは個人差というより、同じ女性でも、妊娠ごとにつわりのひどさも期間も大きく異なることがある(1人目妊娠時に重症妊娠悪阻になったが、2人目は普通のつわりで済んだとか、1人目は一度も吐かずに乗り切ったのに2人目は毎日吐く日が2か月続く等。)

これらのことを知らない人が、実はたくさんいる。Aさんが本当に臨月まで吐かずに済んで元気だったとしても、Bさんはサボりでもなんでもなくて、トイレとベッドを往復する廃人のような状態ということが実際によくある。人と比較したり、気力で乗り越えろというのは完全に非科学的、無茶な話。妊婦本人が辛いと言っている場合は、まずはそのまま信じてあげることが大切だ。そのうえで、元気が出てくれば、少しずつできることも増えてくる場合が多いと思う。

 

さらに、偏見がある。

  • 自分も子供が欲しいのに結婚や妊娠ができていないから妊婦が心から憎らしい
  • 古い世代の男性・女性像を今も理想としていたりすることで、妊娠や出産、育児は「女性がひとりで勝手に、黙々と耐えてやるのが当たり前だ」と思い込んでいる

などといった個人的な心情がもとになって出る言葉もあるだろう。

 

では実際、つわりとはどんなものか?体調が悪い話を読みたくない方は、この先読むのを控えて頂きたい。

私が経験した症状を挙げる。

  • 妊娠4週頃からの吐き気、血の気が引く感じ、めまい、腰痛
  • 猛烈な倦怠感と判断力の低下(車の運転ができなくなるレヴェル)
  • 空腹時に倒れそうに気持ち悪くなる(気持ち悪くてもクラッカーなどを少量胃に入れないと余計気持ち悪くなる)
  • 食べないと吐きそうで、食べても苦しく、食べた後も気持ち悪くなるという大混乱
  • 喉が引きつって吐きそうになる(ピーク時に見られた、つわり独特の嘔吐反射のような吐き気)
  • みぞおちのあたりが乗り物酔いしたみたいにムカムカする
  • シャワーやシャンプーが何日もできないほど気持ち悪い(3日に一度程度しか入浴できない。自分のべたつく頭の臭いでさらに吐き気を催す)
  • メイク大好きなのに白粉すらはたけないほど気持ち悪い(インフルエンザ感染時等を除いてほぼ年中メイクをしている私が!)
  • 徒歩5分の距離にあるスーパーへ行く途中、通りがかりの家や店の開いた窓から漂ってくる台所の臭い、排水溝、どぶ、ペット、咲いている花、調理中の臭いや湯気を全て警察犬のように感知してしまい吐きそうになるのでハンカチとエチケット袋なしでは外出できない
  • 今にも吐きそうに気持ち悪いというのに急に「高菜弁当食べたい!」などと超具体的な特定の食品を欲し、すぐに用意できれば食べられる時もあれば、夜遅くや朝早くに夫に買いに走ってもらったのに、食べようとするとまた吐きそうで食べられない状態になり、ゲロバケツを横に置いて謝りながら泣く
  • 肉や魚に対する猛烈な嫌悪感(写真を見るだけで吐きそうになる。生ものによる食中毒から身を守る本能的な反応?)
  • 太った人が歩いているのを見ると吐きそうになる(原因不明)
  • 油の臭いで吐きそうになる(夫が炒め物などする時は窓を開けて鼻をハンカチで覆っている必要あり)
  • 吐き気と交代または同時にやって来る深い感情(おえっ、うえっ、とえずきながらコンビニに納豆巻きを買いに行く途中、ただただ浮かんで来る涙。エコー写真を見ながらとめどなく流れる涙を拭き拭き気持ちを夫に受止めてもらう。空や木々を見るだけで美しくて、嬉しくて、悲しくて、辛くて、泣けてくるなど…)

 

上のようななかなかハードな症状が、時間や日によってまちまちで、ピークを含めてその前後、合計で3か月ほど(4~15週くらいの間)続いた。うち恐るべき肉体的つわりピークは約3週間(9~11週くらいの間)、次いで泣き叫び、怒り狂う精神的つわりがピーク2週間(12~14週くらい)。嘔吐が怖い私は相当気持ち悪い時も吐かずに乗り切ったが、吐いて大丈夫な人なら、おそらく毎日、日に何度も吐く生活が最低3週間は続いたと思う。

 

胃腸炎などは激しい症状が急に出るが、元気な人であれば2,3日も経てば何とか乗り越えられることがほとんどだろう。インフルエンザもとても辛いことが多いが、抗ウィルス薬を投与されれば、3日以内に相当楽になるだろう。感染症に対する身体の反応は、病気のもととの戦いによるものだ。しかし、妊娠したことで起こるつわりの症状は、私の場合、どちらかというと、母体と胎児を守るために起こる強制的な身体の不調、あるいは生命体としての一大事を知らせる警告の役目を果たす具合の悪さのような感じがした。日頃から健康な女性であるほど、いきなり訪れる猛烈な体調不良に、「一体私の身体に何が起きているんだ?」と驚くと思う。

 

もしも、何か深い事情がある女性が、妊娠するとつわりが起こるということを全く知らずに、妊娠してしまったと仮定しよう。生理のメカニズムや、妊娠や出産の辿る過程についても知らなかった場合、わかることは、「毎月の生理が止まり、間もなくものすごく具合が悪くなり、食べたり吐いたりを繰り返す。だるくて眠くて農作業も裁縫も料理もできない。」といった事実のみだろう。もう病気で死ぬのかもしれないと恐怖を抱くほどの体調不良だ。そして、寝込んで偏食して、ぐったりとしながら精神的にもボロボロの状態が続く。それが2,3か月続いた後で、お腹が急に出てくる。ここでまた、「何だろう?腹の中にできものができたか。自分は死ぬのか…。」と思うかもしれない。息苦しく、胃腸も肺も圧迫されて、立っているとクラクラする。そうして絶望しているうちに、胎児がどんどん大きく成長し、力強くなってくる。胎動を感じ始める。そこで、「腹の中に、何かいる!?」と気付く。そうこうしているうちに、ついに陣痛の苦しみが訪れ、何が出るのかとパニックになっていると、両脚の間からある日、小さな人間が出てくるのである…。どんなに無知な女性であっても、ここで、「ああ、腹の中にいたのは、新しい人間だったのか!」と理解する。

 

もしつわりの絶望的に不快な症状がなかったなら、妊娠した女性は、元気に動き回って、力仕事もするだろうし、走ったり危険なこともするかもしれない。その結果流産してしまう危険性も出てくる。これを防ぐために、体が強制的に「気を付けて、ゆっくり動くように。嫌悪感を抱くものからできるだけ遠ざかって、心身共にゆったり過ごすように。」と警告を発しているのではないかと、私は考える。つわりが軽く、元気に過ごせる幸運な人ももちろんいるが、そういう人が必ず流産するわけでもないので、一概には言えないのだが…。

 

1人1人の女性が、特に流産しやすい妊娠初期のつわり期間中、孤独な時間、自分の気持ちや体調と嫌でも向き合わなければならない時間を持つことが、実はその後、一生物の母親として出産、育児をしていく中で、とても大切なプロセスなのだろうと思う。何か月も続く具合の悪さに、精神的にも追い詰められ疲弊するので、他人の痛みがわかるようになったり、苦しんでいる人に優しくなれたりもする。私の場合は、色々なことがどうでも良くなって、「元気でさえいれば、生きてさえいればとりあえず良しとする」と思うようになった。

 

普段であれば考えないようなことを考えたり、身体の変化に戸惑ったりで大忙しなのがつわり期。とにかく身近にいる妊婦が元気そうにしていたとしても、実は家や職場のトイレで吐きまくっていたり、駅で倒れて通勤途中に救急車に乗ったりしている場合も相当あると思われる。つわりが臨月まで続く大変な人もいる。キラキラのマタニティーライフなんてメディアが作り上げた嘘っぱちのイメージだと思って、ぜひ妊婦を見かけたら倒れそうでないか、吐きそうでないか、少し気にかけてあげて頂きたいと思う。特につわりがひどいのは、お腹がまだ全然妊婦に見えない妊娠初期のことが多いので、マタニティーマークをつけている人がいたら配慮する思いやりが必要だと思う。

 

「勝手に、好きでお前が妊娠したんだろ。」などと言う人には、「あなた様のお母様がどれほど苦しんであなた様をお腹の中で9か月間養い、ろくでもない考えができるようになるまで育ててくれたかに、どうかあなた様が死ぬ前に思いを馳せられますように。そしてどうかあなた様が年金ももらえず、生活の保障も受けられずにあの世へ旅立たれん事を…」と祈るだけにして構わずにおこう。どんな人間でも、この世に生まれて来れた暁には、誰かの役に立つ人間になる可能性が必ずあるのだから。世の中、誰も一人では生きてはいけないのだから…。

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